<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?><rdf:RDF xml:lang="ja"
	xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
  xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/">

<channel rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/feed">
	<title>私の首筋に、嘘。</title>
	<link>https://sj15sm.novel.wox.cc</link>
	<description>あなたは今日もまた、〝愛してる〟が腐ってる。</description>
	<dc:language>ja</dc:language>
	<items>
		<rdf:Seq>
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry10.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry9.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry8.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry7.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry6.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry5.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry4.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry3.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry2.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry1.html" />
					</rdf:Seq>
	</items>
</channel>

	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry10.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry10.html</link>
		
				
		<title>3</title>

		<description>「ね、ヒョン、いいじゃん。今までずっと…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">「ね、ヒョン、いいじゃん。今までずっとそうしてきたじゃん。」

「そん、」

「ほら、ベットに行こう？窓際のベット。いっつもヤるときはそこだよね。」

「ちょ、！」

「なぁに？結局はヒョンだって欲求には敵わないでしょう？」

「何言って…」

「今日こそは跡つけてね。ヒョンいっつもつけないんだもん。不安になるよ。」



コツコツと足音が此方に近づいてくる。
徐々にクリアになる、あの日の彼の姿。そういえば、あの日の一時限目、ヒチョル先生が
サボったとかなんだとかで生徒たちが騒いでいた気がする。

全ての辻褄が解けたときには、目の前に広がっていた残酷な会話の意味さえも頭に、心に染みこんできた。
停止していた思考回路が一気に回りだす。もっと別なところでこの頭の回転の速さを使いべきだと、
ジョンス先生に苦笑いをされてしまいそうだ。


もう、どうすればいいかなんて分かってる。




「ヒョン！！！」




ガバリと勢いよくベットから出ると、彼とヒチョル先生は目を見開いてフリーズ状態になってしまった。
俺はその隙に彼の腕を掴む。思った以上に細くて、ちらりと目の前が光った気がした。



「先生、ちょっとヒョン借ります！」



唖然とする二人を無視して、俺は彼の手を引いて走り出す。
いきなりヒョンなんて呼んで大丈夫だっただろうか。
本当にソンミニヒョンと呼びたいけれど、それを我慢する程度の理性なら持ち合わせている。



俺は只管走った。

あの日出逢った天使が、女神が今、俺の後ろにいる。俺に触れている。




　＊＊＊＊＊＊＊




三階の一番東にある空き教室。ここはもう既に物置化していて、本当なら立ち入り禁止の教室だ。
腕を掴んだまま彼をここまで連れてくると、いつも走るなんて遠ざけている俺の体力は悲鳴を上げた。

肩で息を何度も繰り返していると、ゆっくりと、静かに彼が口を開いた。



「………き、み…あの日の…？」



呼吸を整えながら小さく頷くと、彼の唇が綺麗な弧を描いた。



「なーんだ、びっくりしちゃったじゃん。急にベットから出てくるし、ヒョンって言うし…」

「や、出ていくつもりはなかったんですけど…」



ああいうのって、本能って言うんですかね、と呟くと、彼があの時のように優しく笑った。
さっきとは打って変わって優しい口調。どちらが本当の彼なんだろう。知りたいけど、知った先が恐いような気もする。



「あーあ…ぜーんぶ聞かれちゃったかぁ…」

「あ、や、その…」

「ま、別にいいんだけどね。僕は。ヒョンは怒るだろうけど。」

「……そ、ですか…」



自嘲気味の微笑みを作った彼が、なんだかすごく儚いような気がしてならない。
あの時よりも近くにいるのに、あの時よりも、触れたら消えてしまいそうだ。

何が俺をここまで動かしたんだろう。どうして彼の笑顔が見たいんだろう。


笑ってほしい。微笑んでほしい。貴方は天使で、女神で。
儚い涙は似合うけど、それ以上に、もっと…。




「あ、の、」



自分でも笑っちゃうほど震えている声に、彼は優しく柔らかい声で「ん？」と首を傾げた。



「俺、全部聞いちゃいましたけど、」

「うん」

「ヒチョル先生は、ちょっとおかしいと思う。」

「…なんで？」

「だ、って、こんなに綺麗なヒョンが好きって言ってくれてるのに…」




ぶはっと豪快に吹き出す音が聞こえて、俺は驚いて彼に視線を移す。
結構真面目に…いや、ものすごい真面目に言ったんだけど。

彼は目尻にじんわりと涙を見せて、腹を抱えて笑っている。
疑問だとか悔しいだとか恥ずかしいだとか、いろんな感情の中で一番はっきりとしているのは、
とりあえず、笑ってくれたってことはいいことなんじゃないかという安堵。



「君、変なこと言うね」

「へんな、こと？」

「僕を綺麗なんて、大丈夫？そんな事一度も言われたことないし」



クスクスと笑いながら話す彼だって、ほらこんなにも美しい。なんでみんなは分からないんだろう。

でも、それでもいいのかもしれない。
俺だけが分かっていれば。俺だけが知っていれば。




「……あの…」

「ん？」




この感情がなんなのか、もうはっきりと分かった。
あの日出逢った天使は、どうやら本当に俺の天使だったらしい。




「俺じゃ、だめですか…？」




大きな瞳を更に見開いて、彼の動きが、彼を取り囲む空気が止まる。
浮かぶのは笑顔。眩しくて、美しい、あの笑顔。








保健室で出逢った女神。

神様、僕は今日から、女神と恋をします。
















</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:30:37+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry9.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry9.html</link>
		
				
		<title>2</title>

		<description>あれからずっと彼を探しているのに、一向…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">あれからずっと彼を探しているのに、一向に見つかる気がしない。
この学校の生徒で、先輩であることに間違いはないはずなのに。
何度保健室に足を運んでみてもダメだったし、ああ、名前くらい聞いておけばよかった。



「キュヒョナー！今日カラオケよってかえろ！！」

「……」

「きゅーひょーなー！シウォナも誘ってカラオケ！」

「………」

「……なぁーに色恋沙汰に目覚めちゃってさ。」

「！？はぁ！？？」

「ふふっキュヒョナ分かりやすー！」

「……どこでそんな言葉覚えてくるわけ？」

「なっ！失礼な！そのくらいはわかる！！」




やけにむきになったドンへの頭から、カラオケの四文字がどうやら消えているようでほっとする。
今日の放課後だって、彼を探すという予定でいっぱいなんだ。ドンへにかまっている暇はない。


未だにぶつぶつと文句を言っているドンへをよそに、俺はチャイムが鳴ると一目散に教室を飛び出る。

一昨日は三年教室を探して、昨日は二年教室を探した。
あとはもう個々を探すしかない。さて、どこから探せばいいんだろうか。



「あーもう…」



本当に、あの時名前を聞いておけばよかったと思う。というか、後悔する。
こういうことに対しては鈍感でも奥手でもないのに、どうしてなんだろうか。



俺は小さくため息を漏らして、ずるずると足を引きずるように保健室へと向かった。




　＊＊＊＊＊＊＊




保健室の引き戸を引く。いつもより重たい気がしたのは、重たい気持ちのせいなのだろうか。


やっぱり今日も保健医がいない。そして人の気配も…今度こそ、ない。
此処が云わば切り札だったのに。それでももう重たい気持ちが持ち上がる気配はなくて、
俺は仕方がなく一番窓際のベットに腰を下ろした。



「………あ、れ…？」




暫くぼんやりと天井を眺めていると、遠くから、いや、保健室の外から話し声が近づいてくる。
や、別に何かいけないことをしているわけではないのだけれど、
俺は反射的にベットにもぐりこんだ。

それから程無く引き戸が引かれて、話し声がしっかりと耳に届いた。




「あのなぁ、お前、たまには学校こないと留年するぞ」

「別にー。留年したって関係ないよ。ヒョンが勉強教えてくれるんだし。」

「ったく…俺だって暇じゃないんだよ。分かるか？」

「んー…よくわかんない。」



ゴクリ、と生唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。

ずっとずっと探していた声。彼だ、彼に違いない。
そして彼と会話を投げ合うこの声は…何度となく俺に向かって質問を放り込む、ヒチョル先生。

なんで二人が一緒にいるんだろう。学校に来ないって何。
〝先生〟じゃなくて〝ヒョン〟ってどういうこと。ああ、やっと見つけたのに…。




「あーあ、ヒョン、今日もジョンスヒョンに逃げられちゃったねぇ」

「……うるせー」

「今日で何日目？ジョンスヒョン絶対ヒョンの気持ちに気づいてないよね」

「……うぜー」

「ね、慰めてあよっか？」




その時、ちゅ、と可愛らしいリップ音が部屋中に甘ったるい空気を残して響く。
何が起こったか訳が分からなくて、俺はただベットのシーツを痛いくらいに握りしめた。



「……お前、こういうこと学校ではやめろよ…」

「なんでー？いいじゃん、学校でするの、初めてじゃないし。」

「俺の気持ち知ってるだろ。だから、」

「もう終わりにしよう、って？」

「……ッ…」

「ばかだなぁ、ヒョン。ヒョンだって僕の気持ち知ってるくせに。」

「おま、」

「『お前』じゃないよ。ソンミンって名前があるんだから。ねえ、ヒョン、そう呼んで。」

「…な、に、」

「それとも、ジョンスヒョンのこと好きだから呼べない？
僕がヒョンのこと好きだって言ってるの知ってるのに？」




心臓が痛いくらいにバクバク煩い。
何だか喉の奥が痛みを持って渇き始めて、自分の吐息がやけに冷たく感じた。



―訳が分からない。

意味が分からない。なのに二人の会話は、嫌というほど鮮明に聞き取れてしまう。これだから世界って残酷だ。

</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:29:16+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry8.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry8.html</link>
		
				
		<title>ヴィーナス</title>

		<description>保健室の一番窓側のベットは風当たりがい…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">保健室の一番窓側のベットは風当たりがいい。
サボるときには絶好のポイントだ、いつかドンへがそう言っていたことを思いだす。



カーテンに囲まれたベットの中、そこにあったのは、女神のような微笑み。






<font size="7">―ヴィーナス―</font>








次の時間は国語。国語のジョンス先生のことは嫌いじゃないけど、
やたらと俺を指してくるから苦手だ。
その次の時間は科学。科学のヒチョル先生は弄ぶみたいに俺に絡んでくるから苦手。

結局好条件がそろってしまえば、俺の思考は授業に参加するなんてことには回らない。
むしろ、前にドンへが教えてくれたことを試すいい機会にすらなってくれる。


俺は一時限目終わりの休み時間、ずるー、なんてうだうだと文句を言うドンへを一睨みして教室を出る。
向かう先は保健室。一番窓際のベット。
うちの学校は進学校だから、さすがに一時限目からサボる人間はいないだろう。
いるとすれば奇跡的に入ったとしか言いようがないドンへか、
サボるのに高得点を取る俺か、二択しかない。



「しつれーしまーす…」



やけにココだけ古びている保健室の引き戸を引く。
ふわりと香る保健室特有の消毒液の匂いと、えぐみのあるような学校の匂いが広がって、俺は反射的に顔を顰める。


どうやら保健医はいない。
そして人の気配もしないから、窓際ベットは難なく手に入りそうだ。



「っと…窓際は…」




カーテンで区切られているいくつかのベットを通り過ぎて、俺は窓際ベットのカーテンに手をかけた。
そよそよと柔らかい風がカーテンの隙間から流れ込んで、俺は勢いよくカーテンを開けた。




「…………ッ、は！？」




思わず素っ頓狂な声を上げてしまって、俺は手のひらで口を押えた。

だって、だって。
ベットの上には人。それも…上半身裸の。
いや、上半身しか見えていないから分からないけど、もしかしたら全裸…かもしれないし。

小柄な男子生徒みたいだけれど、はっきり言って見覚えがない。
制服のネクタイがないから学年も分からないし、いや、それ以前に、ちゃんとうちの学校の生徒だろうか。




「……んー…」

「ッ！！」



もぞもぞと陽を浴びて男が寝返りを打つ。
俺がただそれを眺めているしかできないでいると、男の瞼がゆっくりと上がった。



「んー…あ、れ…？」

「え、あ、あの、」

「んぅ…きみ、だれ…」

「あ、えっと、俺…」



どうしようと戸惑う俺を、彼は内心興味がなさそうに見つめる。
どうやら裸なのは上半身だけなようで、タオルケットからは制服のズボンが覗いている。

あまりにもじっと見つめられるものだから、俺は視線をすっとずらした。
すると自然にも視界に入ったのは、白く滑らかな腹筋。

…男にしては女みたいだ、一瞬そうも思ったけれど、その肌があまりにも白くて艶やかで、
こんなの女以上なんじゃないかとも思った。



「きみ、一年、だよね？」

「あ、はい…」

「ふーん…一年でサボっちゃうんだ」

「え、と…授業なら、聞かなくても分かるし…」




俺の言葉に、彼はふふっと微笑んだ。
その顔があまりにも綺麗で、まるで時が止まったかのように、俺の体は自由を失う。



「ま、いいんじゃない、別に。僕はもう戻るから。」



そういってもう一度微笑んだ彼は、するりとベットを抜け出す。

…どうしよう。これじゃあサボりどころではない。





ドンへになんて説明しよう。


俺、保健室で天使に出会いました、かな。









</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:25:53+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry7.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry7.html</link>
		
				
		<title>貴方と僕</title>

		<description>もし、貴方が僕を好きだと言ってくれたら…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">もし、貴方が僕を好きだと言ってくれたら、僕は貴方を抱きしめたい。

もし、貴方が泣くのなら、一晩中一緒にいたい。




もし、明日で世界が終わるとしたら、僕は、貴方と手を繋いでいたい。





<font size="7">―貴方と僕―</font>







面倒くさいことは嫌いだ。
昔からそういうことを避けてきたせいか、未だにそう言った感情は残っている。
できるなら、自分の損になることはしたくないし、そのために嘘をつくことは苦ではない。
怪我をするけど得をするなんてよりは、得もしないけど損もしない方が断然いい。
だから、今日も、何も言わない。


「おじゃましまーす！！」


ソファにずっしりと体を沈めていたキュヒョンは、オフの日には酷く耳障りなドンへの声に眉を寄せる。
「どうぞ」と言うキュヒョンの言葉をおそらく聞いていないであろうドンへは、音を立ててリビングのドアを開ける。


「あれ？なんだ、キュヒョナだけ？」

「いいえ。ソンミニヒョンは部屋にいますけど。」



別に誰もソンミンの居場所を聞いていないというのに、いつもの癖か、ついつい唇から言葉が漏れた。
しかし、それを当たり前のように聞き取ったドンへは、その整った顔をくしゃりと緩ませた。



「そっか、ありがと。」



ポンと軽くキュヒョンの頭に手を乗せたドンへは、鼻歌を歌って遠ざかっていく。
その足取りが心なしか軽く見えることに、キュヒョンの顔は強張る。


―別に、ソンミニヒョンとドンへヒョンが付き合っていたって、関係ないじゃないか―――――


あの二人がそういう関係であると知って、初めて妙な感情に捕らわれた日、キュヒョンはそう言い聞かせた。
あのころは何の気なしに言えていた「付き合っている」は、今では「そういう関係」に変わっている。
苦しい。その事実を認めることが、辛くて、苦しい。
トントン、と軽く胸元を叩くと、その音にかぶさるように、リビングのドアが開き、ふわりと甘い香りが漂う。


「あ…キュヒョナじゃん。」

ふにゃりと笑ったソンミンは、引きずる様な足取りで台所へ向かう。
冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを口に流し込むと、その白い喉の中心がしなやかに上下した。


「せっかくのオフなのに、何もしないの？」

「まあ…ヒョン達の邪魔だったら、どっか行きますけど。」


できるだけ皮肉を込めて言ったのに、耳に届いた自分の声は泣いているように聞こえた。
情けなさよりも、悔しさよりも、悲しさが込み上げる。
ソンミンを見ると、困ったような笑顔を作って、優しくキュヒョンを見つめていた。


「キュヒョナはここに居てよ。その方が安心するし。」

「安心？」


キュヒョンが小首を傾げると、つられた様にソンミンの首が曲がる。
その仕草が可愛くて、愛しくて、キュヒョンは片眉をピクリと上げる。


「実はさ、まだちょっと慣れてないんだよ。ドンへと二人きりでいるの…」


照れたようにもじもじと俯いたソンミンの顔は真っ赤で、伸びた髪からちらりと見える耳までもが真っ赤だ。
触れてみたい。当たり前のようにそう思ったけど、焦ったキュヒョンは軽く頭を振る。


「その分さ、キュヒョナとはずっと一緒にいたし、気が合うし…なんていうか、一緒にいて落ち着くんだ」


ソンミンの顔が上がる。
さっきとは対照的に、柔らかく、包み込むような笑顔を、キュヒョンに向けている。



「キュヒョナがいてくれて、良かったよ、ホント。」


今度は少しだけ頬を染めて、ソンミンは足早にリビングを出る。
一人残されたキュヒョンを取り巻く空気が、ほんのちょっと温度を上げた気がした。



―キュヒョナがいてくれて、良かったよ、ホント。


ヒョンはバカだ。
その言葉が、どれほど残酷か知らずに、平気で、笑って言う。
もう、その眩しい笑顔でさえ、俺の心を締め付けるのに。


ヒョンの言葉が、頭の中で、心で、只管こだまする。
ドンへのことを思って真っ赤にした顔とその言葉を重ねてみると、なんだか自分を思って赤くなっていると
思えて、頬が緩む。


それでも、多分、今の俺は、泣きそうな顔をしている。




リビングには誰もいない。
それなのに、ヒョンの香りが、体温が、声が、笑顔が、いつまでも、こびりついて離れなかった。







　＊＊＊＊＊＊＊


もし、貴方が僕にさよならと言ったら、僕は笑って別れたい。

もし、貴方が僕のせいで傷ついたら、僕はもう貴方の前に現れない。



それでも、もし、明日で世界が終わるとしたら、やっぱり、貴方と手を繋いでいたい。








</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:22:39+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry6.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry6.html</link>
		
				
		<title>甘い魔法　＊</title>

		<description>素直になれない夜。

甘い魔法にかけら…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">素直になれない夜。

甘い魔法にかけられて、君の愛を感じたい。


そう。今日みたいな、素直になれない夜は。





<font size="7">―甘い魔法―</font>







「……」


ソンミンは絶句する。
目の前には、空になったワインボトルが２本。
事の発端はキュヒョンのせいだとは言え、いくらなんでも、やり過ぎてしまった。



元々は今日、二人で、キュヒョンがおいしいと言ったワインを飲むはずだった。
それが急に、ミュージカルの先輩との約束が入ったと言って、キュヒョンが
帰れなくなってしまった。

だから少し、ほんの少し悪戯のつもりで飲み始めたワイン。
いつの間にか、まさか２本も飲みつくしていたなんて。


ソンミンは頭を抱える。
酔いつぶれた勢いで寝てしまって、その間にキュヒョンが帰ってこなかったことは
不幸中の幸いだが、こんなつもりじゃなかったのに。
丸々２本もなくなっていては、誤魔化すこともできない。
まだ酔いが醒めていない頭では、言い訳なんて思いつかない。

テーブルに頭を突っ伏していると、不意に冷えた外の匂いがした。
仕方がない。どうなってもいい。謝るしかなかった。


「ただいま、ヒョン」


リビングのドアが開くと、ほんの少しお酒の匂いをまとったキュヒョンが言った。
ソンミンは反射的におき上がり、ボトルを隠すように体を動かす。


「お、お帰り、キュヒョナ」

「ん、ただいま」


キュヒョンはフラフラとソンミンに近づく。
入ってきたときは気づかなかったが、いつもの香水の匂いは消えて、
頭がクラクラするようなアルコールの匂いがする。


「キュヒョナ、相当酔ってる…」

「んん～…酔ってない…」


千鳥足のキュヒョンは、勢いよくソンミンに抱き着く。
その勢いに負けて、バランスを崩したソンミンの肘が、ボトルに当たって音を立てた。
まずいと思ってキュヒョンを見たときには、既に遅かった。


「あれえ？ヒョン。勝手に飲んじゃったのぉ？」


ニヤニヤと笑うキュヒョンを前に、ソンミンはどうする術もなく俯く。
完全に回らない頭で考えた嘘っぽい言い訳なんて、どこかに飛んで行ってしまった。


しばらくして、自分の膝を見つめているソンミンの視界に、キュヒョンの白い手が映る。
驚いて顔を上げると、赤くなった頬をぐだぐだに緩めたキュヒョンと目が合った。


「お気に入りのワイン飲んじゃったんだから、お仕置き、だよね？」


さっきまでの回らない呂律なんて嘘のように、キュヒョンは言った。
唖然とするソンミンのシャツのボタンに手をかけると、一つ一つ外していく。


「ちょ、キュヒョナ！待っててば…」

「だーめ。お仕置きだから、言うこと聞いてあげないし」

「キュヒョナってば…っつ！！」


あっという間に露わになった胸の突起に触れられると、ソンミンは耳まで赤く染まる。
瞬時に全身の力が抜けて、軽々とキュヒョンに持ち上げられて、床に押し倒される。


やっぱり、ワインなんて飲まなければよかったのかもしれない。


酔いが抜けない体の上を、キュヒョンの唇が這い回る。
ほんのりワインの匂いがするソンミンの肌に、キュヒョンが飲んだ
強いアルコールの匂いが移る。


「きゅ、ひょな…ん、や、ちょっと待ってって…」


ソンミンのズボンに手をかけたキュヒョンの腕を、ソンミンは必死に掴む。
上半身の愛撫だけで、こんなにもくたくたになってしまうなんて、心底、
ワインを飲んだことを後悔した。

なのに、キュヒョンは自分の腕をつかんだソンミンの手を持ち上げると、
ソンミンの頭の上に押さえつける。
楽しそうに微笑むキュヒョンを前に、ソンミンは何も言えなくなる。


「お仕置きって、言ったでしょ？」

「ちょ、ちょっと…ふぁ…」


キュヒョンの唇が、ソンミンの唇を押さえつける。
甘い匂いが口の中いっぱいに広がって、自分の舌と絡み合うキュヒョンの舌からは、
甘いような、苦いような味が伝わってくる。


瞬く間に下も脱がされると、ソンミンの頭の中は、ワインの匂いと、
キュヒョンの体温でいっぱいになる。
首筋に強く噛みつかれると、グルグルと回る頭の中は、真っ白になった。


「キュヒョナ…も、ダメ…」

「何が？何がダメなの？」

「我慢…でき、ない…」

「……どうして、ほしい？」







―キュヒョナが、ほしい






真っ白になった頭の中に、ユラユラとワインが染みていく。
酷く甘い快感の中に、ワインが溶け込んで、ソンミンを満たしてゆく。








やっぱり、たまには、ワインも悪くない。

ワインの甘い魔法にかけられて、君の愛を感じたいから。





</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:20:57+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry5.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry5.html</link>
		
				
		<title>愛のある夢をあなたに。</title>

		<description>※「音のない夢をあなたに。」続編



…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">※「音のない夢をあなたに。」続編



あの一夜が夢だったかのように、過ぎ去っていく日々はつまらなかった。

こんなに広い屋敷で、僕は何をして生きていけばいいんだろう。

退屈すぎて、切なすぎて、虚しすぎる。




キュヒョン。君がいないから。




<font size="7">―愛のある夢をあなたに。―</font>







「お客様とは…？」

「それがよく分からなくて…ソンミンを呼んでくれとだけ頼まれたから…」


ソンミンのもとに来客が訪れたのは、あの一夜から二週間ほどたったころのことだった。
使用人相手に身内以外の客が来るのは珍しい。門番も目をうろうろさせて動揺している。


「今待たせてるから。行くなら気を付けて行って来い」

「はい…」


ソンミンが門へ向かうと、門番が呼び止めた。


「念のため、言語には注意しろ。」

「え…？何故ですか？」

「…相手は、どこかの貴族だ」


もしかしたら舞踏会に来ていたかもしれない、と、門番は心配そうに言った。
背筋がゾクリとする。鼓動がやけに速くなる。もしかして…もしかしたら…

そこまで駆け廻っていた考えが、ぱたりと途切れる。
期待は不安に変わって、不安は恐れに変わった。


「あの…聞いてもいいですか？」

「…ああ。」

「その人は、貴方になんて言ったんですか？」

「ソンミンを呼んでくれ、と言ったが？」


キュヒョン、どうして…。


体が徐々に震えてくる。
相手がキュヒョンだと決まったわけじゃないのに、涙が瞳の淵を濡らす。




ソンミンは門番に会釈をして、足早にその場から抜ける。


鉄製の重たい門の前に着くと、ソンミンは大きく深呼吸をした。
震える手で門を押すと、一気に眩しい光が、ソンミンの目の前に広がった。


「…久しぶり、ミニ。」


光の中で、愛おしそうに微笑むキュヒョンがいた。


　＊＊＊＊＊＊＊


どうして、僕の名前が分かったの？
最初から、僕のことなんて全部分かってた？


不安で泣きたくなる。今キュヒョンは、目の前にいる自分のことをどう思っているのだろう。
ニコニコと微笑むキュヒョンの瞳に映る自分は、どこからどう見ても男だ。


「…何しに来たの…？」

「ミニに会いに来た。」


怪訝そうに聞くと、あの時と同じような甘い声で返される。
キュヒョンは微笑んだままソンミンを見つめている。だけど当然、もうソンミンを女だとは
思っていないはずだ。もしかしたら…初めから。


「僕…王妃じゃないよ」

「うん、知ってる」

「僕、男なんだよ…？」


泣きそうな声でソンミンが言うと、キュヒョンは優しく笑う。
ポン、とソンミンの頭に手を置いて、愛おしそうに撫でる。

ソンミンは俯いたまま、顔を上げられない。
もし今キュヒョンと目を合わせたら、何を言い出すか分からない。
ソンミンがギュッと唇を噛み締めると、頭上から低めの声がした。


「初めから…全部知ってたよ、そんなの。」


頭に置かれていたキュヒョンの手が後頭部に回り、グイッと引き寄せられる。
すっぽりとキュヒョンの腕の中に収まったソンミンは、嗚咽が聞こえないよう、
キュヒョンの胸に顔を押し付けた。

嬉しいんだ、今は。多分、きっと。


「ずっとずっと、ミニを探してきたんだ…」




―あの日から、ずっと…





キュヒョンがぽつりぽつりと言葉を繋ぐ。
体に回された腕に力がこもった気がするのは、勘違いではないのかもしれない。

少しだけ、僕はこのまま、君を愛していけると思った。



　＊＊＊＊＊＊＊





ある舞踏会の夜。
両親を亡くして親戚に引き取られ、貴族の右も左も分からなかった。
そんな中での舞踏会は、予想通り…いや、予想以上にだめだめだった。


「貴方、とても美しいお顔立ちなのに、もったいないわ」


そう言って手を差し伸べてくれた人のことを、今でもはっきりと覚えている。
とても美しく、綺麗で、品があって。
いくら貴族になり立てだからといって、彼女のことは分かった。


「王妃…」


彼女は優しく微笑んで、キュヒョンの額にキスを落とす。
目を大きく見開いて驚くキュヒョンに苦笑しながら、王妃は言った。


「貴方、お屋敷にいらっしゃらない？」


多分、逃げ出したかった。
こんな窮屈で面倒な世界から離れて、胸いっぱいに深呼吸をしたかった。

だから、言われるがままについていった。
でも僕は、後悔なんてこれっぽっちもしていない。
…ねえ、ミニ。信じてくれる？



「今日はここでゆっくり休みなさい。自由に使っていいわ。」


キュヒョンが通された部屋は、とても部屋とは思えないところだった。
何よりも広すぎる。一軒家とも受け取れる場所で、王妃が部屋を出ていくまで、キュヒョンはただ立ち尽くした。

…とはいっても、これでも貴族の一員だ。
ただ唖然と立ち尽くしていてはいけない。しかも、王妃相手に。


キュヒョンは部屋を出る。
相変わらず広すぎる屋敷は、王妃を探すだけでも何時間かかるか分からない。


「あ、あの…」


キュヒョンは部屋のすぐそばを忙しそうに動き回る使用人に声をかける。
ゆっくりとキュヒョンの方を見た使用人は、ふわっと柔らかい笑顔を浮かべた。


「何か御用でも？」

「あ、いえ、あの…」


キュヒョンは思わずしどろもどろになってしまう。
だって驚いた。こんなにも笑顔が可愛い人だったなんて。
甘ったるい声に、真っ白い肌に、目を引きつけて離さない笑顔。


いつまでも使用人を見つめて固まってしまっているキュヒョンに、
クスクスと使用人は肩を揺らして笑った。


「また御用がありましたら、声をかけてくださいね。」



―こんなの、ズルい…



そんな顔で微笑まれると、忘れられないなんて当たり前なのに。
惹かれてしまうのは、当たり前なのに。








僕はその日から、彼のことを想い続けている。


あの夢みたいな夜、美しいあなたを見つけて、今こうして、あなたを抱きしめるまで。


そしてこれからも、ずっと…












</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:19:17+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry4.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry4.html</link>
		
				
		<title>音のない夢をあなたに。</title>

		<description>煌びやかな衣装を身にまとった姫たちが、…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">煌びやかな衣装を身にまとった姫たちが、優雅に会場内を舞う。

姫たちと手を取り合ってしなやかに動く王子たちは、目に痛いほど輝いている。




<font size="7">―音のない夢をあなたに。―</font>







「どうしよう…」


小声でポツリと言ったソンミンは、ハッとして口を押えた。
慌てて周りを見渡して、近くに誰もいないことを確認して、ホッとため息を漏らす。


『貴方は本来舞踏会には出席できない身分です。今回は王妃の振りをして出て頂くだけです。
　なので当然ながら、仮面をはずすことも、声を出すことも許されませんよ。』



ソンミンは項垂れる。
こんな広い会場で、いつも使用人として仕えている自分が、王妃になりきれるわけがない。
それに、出席届を出した後に王妃が寝込むなんて考えていなかったとしても、
いくらなんでもこの扱いは酷すぎる。

ソンミンはフラフラと会場の端の方へ向かう。
何ならパーティーが終わるまで、ここにいたっていいんだ。


ソンミンが大きくため息をつくと、フッと目の前に影がかかる。


「お暇なら、よろしければご一緒に踊りませんか？」

「へ…？」


いきなり声をかけられて、思わずソンミンは声を上げてしまう。
慌てて俯いたが、相手はそれを全く気にしていないようだった。

ソンミンが恐る恐る顔を上げる。
目の前には、すらりと細く、端正な顔立ちをしている若い男が立っていた。


「すみません、いきなり…とても美しい方だったので」


恐縮したように言う彼に、ソンミンは黙って首を横に振った。
名前を呼ばれなかったことから、きっと彼は王妃のことを知らないのだろう。
なんだか妙な安心感に包まれて、ソンミンは体の力を抜いた。


「あの…よろしければ、踊りませんか？」


おずおずと彼の手がソンミンの前に差し出される。
白くて長く、綺麗な手。吸い寄せられるように、ソンミンは手を重ねていた。


「では、私に身を委ねて。」


黙りこくっているソンミンを、ダンスの初心者だと思ったのか、
彼は優しくソンミンの手を引いてステップを踏む。

もっとも、確かにソンミンはダンス初心者だった。
それでも、彼の穏やかで優しいリードの身を委ねていると、流れる様な動きができる。


「とても上手ですよ、綺麗です。」


彼はソンミンの耳元で、熱っぽく言った。
滑らかなリズムと彼の甘い声で、ソンミンは次第に気分がよくなってくる。
あれほど憂鬱だった舞踏会が、一瞬にして華やかなものに変わってしまった。


ソンミンは彼の顔を見上げる。
長いまつげの奥に見える瞳は、心なしか熱を持っているように見える。
そう思うと、不自然なくらい心拍数が上がって、ソンミンは小さく深呼吸をした。
この胸の高鳴りが、悟られぬように。






最後のステップを踏み終わると、彼は掴んでいたソンミンの右手の甲にキスを落とす。
それがダンス終了の合図だと気づくまでには、酷く時間がかかってしまったけれど。


「とってもお上手でしたよ。」


彼はにっこりと笑って、優しくソンミンの手を下ろす。
温もりを失った手が妙に寂しく思えた。


「私、貴方のこと、もっと知りたくなりました」


とろけるような笑顔で言われてしまえば、もう拒否する理由なんてなくなってしまう。



　＊＊＊＊＊＊＊


彼、もといキュヒョンとは、びっくりするぐらいすぐに打ち解けた。
あの後、会場を抜けて、少し離れたところにある休憩所で、二人はずっと話をしていた。

話すといっても、ソンミンは声が出せない。
それを察してか、キュヒョンは着くなり、すぐに名乗ってくれた。


「私はキュヒョンと申します。貴方は…？」


ソンミンが返事に困っていると、キュヒョンは優しく笑った。


「じゃあ、ミニと呼んでも、宜しいですか？」


ソンミンは大きく頷く。
さすがに名前を当てるなんてことはできないが、キュヒョンはそこそこ感もいい。
それでいて気さくで優しいし、笑顔も声も、ソンミンの心に残って離れない。

話という話にはなっていないかもしれないけど、キュヒョンの言う話は、
ほとんど共感できる。
だからそのたび、ソンミンはできるだけ大きく相槌を打っていた。


「それでその時、使用人が間違えてしまって…」


キュヒョンの話に、ソンミンはクスクスと肩を揺らして笑った。
何よりキュヒョンといると落ち着いて、自然に笑みが零れる。


ソンミンが笑っていると、キュヒョンの手がソンミンの肩に乗る。
ビクッとして、ソンミンは動きを止めた。

キュヒョンはじっとソンミンを見つめる。
ワインを飲んだせいか、その瞳はやはり熱っぽかった。


「ミニ…私は、どうすればいい…？」


ソンミンが眉を下げで首を傾げると、キュヒョンは申し訳なさそうに言った。


「今日会ったばかりだというのに、ミニに惹かれている…」


ドクン、と心臓が音を立てる。
肩に置かれたキュヒョンの手は、いつの間にか力強く、ソンミンの肩を掴んでいた。


「ミニのこと、好きになってしまったかもしれない…」


言葉を交わす前に、掴まれた肩が引き寄せられる。
グンとキュヒョンとの距離が近くなったと思えば、全身、キュヒョンの香りに包まれる。

背中に回されたキュヒョンの腕が力強くて、なんだか心臓が煩い。


「声が聞きたい…ミニ。」


ソンミンの体がビクッと反応すると、キュヒョンはそれを宥めるように背中を撫でた。
声が聞きたい、なんて。そんなことを言われたら、今すぐにでも叫びたくなる。

でも、自分は王妃じゃなくて、もっと言えば女でもない。
今は絶対に、キュヒョンにガッカリさせたくない。





ソンミンが黙ってしまうと、キュヒョンはゆっくりとソンミンを離した。


「好きだよ、ミニ…」

「……」

「キス、してもいい？」


ソンミンが頷く前に、キュヒョンの両手が添えられている肩がキュヒョンに近づく。
少し腰を屈めたキュヒョンの顔が、首を傾げたような角度でどんどん近くなっていく。


ああ、今、声を出せたら、全て打ち明けられるのに。



ソンミンが強めに瞳を閉じると、柔らかく暖かい感触が唇を伝う。
声にならないのなら、唇から思いが全て、伝わってしまえばいいのに。



「…ミニ」


そっと唇を離したキュヒョンが、ソンミンの頬を撫でる。
なんだか途端に申し訳ない気持ちでいっぱいになって、ソンミンは俯いてしまう。

ごめん。ごめんね、キュヒョン。
僕、女じゃないんだ。それも、ただの使用人なんだよ。


言わなくちゃいけないことだったのに、言えないでよかったとも思う。
言ってしまったら、キュヒョンが離れていってしまうから。それなら、僕は…


「愛してるよ、ミニ」


再び、キュヒョンの唇の感触が降り注ぐ。
心の中にある言いたいことが溢れそうなのに、声は全く出なかった。


このキスが、ずっとずっと続けばいいのに…







星空の下、重なっていた二つの影がゆっくりと離れる。
ソンミンはキュヒョナに抱きしめられて、すっぽりと腕の中に収まった。


「返事、くれる？」


不安そうに聞くキュヒョンが切なくて、ソンミンは何度も首を横に振った。
ごめん、と何度も謝りながら、キュヒョンの腕の中で、漏れる嗚咽をこらえていた。


「ねえ、ミニ」


キュヒョンは優しく、ソンミンの頭を撫でる。
薄い金髪にウェーブのかかったソンミンの髪の毛が、キュヒョンの指の間を潜る。


「返事は、ミニの声で聞きたいよ…」


好きだよ。愛してる。傍にいて。一緒にいたい。


声にだせるなら、いくらだって言う。
でも、キュヒョンはきっと、僕から離れていってしまうだろう。




ソンミンは嗚咽を飲み込む。
一つ、大きな深呼吸をすると、それに被さるように、盛大な鐘の音がなった。


「あ…もう、時間だ…」


キュヒョンは残念そうに笑いながら、ソンミンと体を離した。
辺りを見回すと、ぞろぞろと皆が外へと足を進めている。


「ね、ミニ」


キュヒョンは、しっかりとソンミンを見つめて、言った。


「次会ったら、ちゃんとミニの声で返事して。」


キュヒョンは優しくソンミンの前髪を上げて、額にキスをする。
そしてまた、とろけるような笑顔を向け、耳元で低く呟いた。


「またね、ミニ」





―次会ったら、その時は…





例え声を出してはいけなくても、ちゃんと伝えるから。






ソンミンはキュヒョンの後姿を見つめる。
遠ざかっていく分、なんだか魔法が解けていく気がする。






愛しいあなたにもう一度会って、素直な気持ちを全て伝える。




願わくば、そんな夢のような出来事を。







</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:16:56+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry3.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry3.html</link>
		
				
		<title>イノセント。</title>

		<description>あれはたしか、暑い夏の日だった。


…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">あれはたしか、暑い夏の日だった。


すっかり慣れたカフェのバイトが暇で仕方がなかった僕と、彼との出逢いは。




<font size="7">―イノセント。―</font>







「あの…ちょっとだけ、かくまってもらってもいい？」


店に入ってくるなり、彼は上がった息のまま言った。
この真夏日に、マスクとサングラス。そして深くかぶったキャップ。
どこからどう見ても怪しかったが、キュヒョンは黙って頷いた。


「じゃあ、ちょっとごめんね！！」

「え？ちょ、ちょっと…うわあ！！！」


いきなりカウンターの中に入ってきた彼は、キュヒョンの手を引いて腰を屈める。
キュヒョンは倒れ込むように尻餅をついてしまい、おまけに、
淹れていた途中のコーヒーが無残にも零れていた。

初対面からなんて常識のないヤツ。

キュヒョンはそう思いながら、彼の顔を見た。
さすがに暑かったのか、マスクもサングラスもキャップもとっている。
そして、よく見ると、意外に綺麗な顔立ちをしていて…


「あ！！！」


キュヒョンが思わず大声を上げると、彼は驚いたようにキュヒョンの口を塞ぐ。


「ちょっと！隠れてるんだから静かにしててよ！！」

「す、すみません…あ、あの…」


キュヒョンはもう一度、彼の顔を凝視する。
長いまつげに、黒目がちな瞳。白い肌に、少し色っぽい唇。
間違いない。あの人だ。


「スーパージュニアの、ソンミンさん、ですよね？」


彼は一瞬びっくりしたような顔になって、すぐにふわりと笑って頷く。
なんだか綺麗すぎる笑顔で、キュヒョンはうっとりと見つめてしまう。

そして、彼から漂う匂いは、淹れたてのコーヒーよりも際立っていた。

甘くて、しっとりしてて…まるで、汚れを知らない華のように。



キュヒョンがしばらく呆然としていると、ソンミンはすくりと立ち上がった。
あたりを見回して、キュヒョンに微笑みかける。


「もう大丈夫みたい。ありがとね」


ふにゃりと笑うソンミンを、キュヒョンはただただ見つめた。



―その笑顔は、反則だろ…







「じゃ、お騒がせしました。」


ソンミンは小さく会釈をして、出口へ向かう。
キュヒョンは我に返って、その後姿を見つめた。
でも結局、遠ざかっていく背中を、黙ってみてはいられなかった。


「あ、あの！！」


キュヒョンが声をかけると、ソンミンはゆっくりと振り向いた。
待ってました、と言う様な視線に、キュヒョンは思わず赤くなる。


「あ、あの…また、来てくれますか？」


甘い匂いが鼻先を掠める。
零れたままのコーヒーに負けないくらい、その匂いは甘かった。

しばらくして、クスリ、と声が聞こえる。


「コーヒーのブラック、予約ね。」


それは、太陽が照りつける、暑い夏の物語。


　＊＊＊＊＊＊＊



ほろ苦いコーヒーの香りに、キュヒョンは足を止めた。
歩幅を合わせたいたソンミンも一緒に立ち止まる。


「キュヒョナ？どうかした？」


心配そうに顔を覗き込むソンミンを見て、キュヒョンはクスクスと笑った。
あの頃と変わらない甘い匂いと、華のような微笑み。
そして、このコーヒーの香りは、ソンミンに出した最初のメニュー。
コーヒーのブラック、だ。


「キュヒョナ？なに笑ってんの？」

「いや…なんか、懐かしいな、って。」


キュヒョンが笑うと、ソンミンも思い出したかのように笑った。
華のような微笑みは、今では、キュヒョンだけに向けられることもある。


「ねえねえ、キュヒョナ。」

「ん？」

「喉渇いたんだけど、予約してもいい？」

「…いいよ」


思わず笑いそうになるのをこらえて、キュヒョンは返事を待った。


「じゃあ、コーヒーのブラック、ね。」


二人は顔を見合わせて笑う。

空には、あの日に負けないくらいの太陽が輝いていた。





―それは、真っ白で純白な、淡い夏の思い出。













</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:15:30+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry2.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry2.html</link>
		
				
		<title>OSHIOKI second　＊</title>

		<description>どうしよう。


ちゃんと大事にしてな…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">どうしよう。


ちゃんと大事にしてないと、

ちゃんと優しくしてないと、君が離れていってしまうのに。


本当に、どうしよう。

どんどん、狂っていってしまう。





<font size="7">―OSHIOKI part2―</font>







パシンッと乾いた音が、部屋中に響く。
上がった息のまま視線を下ろすと、頬を押さえて、信じられないという様な顔をしたソンミンがいた。


「ミニ、ねえ、分かってんの？」

「きゅ、ひょな…」

「ね、分かってないでしょ？そうなんでしょ？」



覗き込むように目線を合わせて問うと、ソンミンはふるふると震えながら、首を横に振る。
さすがに、平手打ちなんて女々しいことをする自分が嫌になるが、もうそれどころではない。

手の平がじんわりと熱くなる。
ヒリヒリと痺れるような痛みが広がっていくのに、今は、別のところが痛い。

酷く、痛むんだ。ミニ。



「ミニ、答えてよ。分かってんの？分かってないの？」

「…分かって、る…」


グイッと腕を掴むと、震える声で言ったソンミンが腕を回す。
するりとあっさり、キュヒョンの手から、ソンミンの腕が離れてしまう。
ただそれだけなのに。妙に苛立って、無意識のうちに怒声が漏れた。


「どこがだよ！！全然分かってないだろ！！！！」



ビクリと震えたソンミンの肩を強引に掴むと、力強くベットから立ち上がらせる。
思った以上に体は震えていて、「ごめん」とか、「許して」とか、出さないといけないはずの
声がどうしても出なかった。


キュヒョンはずかずかと肩を掴んで脱衣所に入る。
誰かが先程まで風呂に入っていたのか、部屋の空気はしっとりとしていて、
肺に吸い込んだ酸素までもが湿り気を帯びているような気がした。


「ちょ…キュヒョナ…」


不安そうに見つめる視線が、背中に刺さる。
ああもう、どうしよう。そんな目で見つめないで。
これから俺が、どんな酷いことするかなんて、知らないでしょ？


「ね、ミニ」


振り向いて顔の距離をグッと近づけると、眉を下げたソンミンが眼を逸らした。
長めの睫が震えているとことか、息遣いが苦しそうなとことか、確かにそれはそれで可愛いんだけど。


「ミニが分かってないなら、ちゃんと目で確認しよっか？」



小さなリップ音を響かせて耳にキスをすると、ソンミンの顔は一気に赤くなる。
瞳の奥が少しだけ滑らかになったのを合図に、キュヒョンはソンミンの服に手をかけた。


「まっ…キュヒョナ、ここ、で…？」

「…そうだよ」


やっと視線を合わせたソンミンが震えているのを無視して、キュヒョンは服を脱がす。
その最中に、くるりと体を動かして、位置を変えた。

位置的には、洗面台の鏡に、ソンミンが映り込むような形で。
キュヒョンは後ろから抱き着いて、探るように服を剥ぎ取っていく。


「え…ちょ、キュヒョナ！なんでこんな…」


もぞもぞと体を動かして位置を変えようとするソンミンを、キュヒョンは脱がしている手で制す。
不安を貯め込んだような目で見つめてくるソンミンにニヤリと笑いかけて、キュヒョンは言った。



「だって、見ながらするのっていいでしょ？」



信じられない、確かに、ソンミンの目はそういっていた。

今日の自分は変だ。信じられないようなことばかりする。
そう考えている今だって、手の動きは止めないし。

ダメだ、ダメ。気持ちが前に出てきて、どうしようもなくなっている。




「や、キュヒョナ…」


すっかり衣類を奪われてしまったソンミンは恥ずかしそうに鏡から眼を逸らす。
それじゃ趣旨が分からなくなってしまう。恥ずかしいのは分かるけれど。


「ミニ、だめ。ちゃんと鏡見て。」

「やっ…」


頬を軽く押してソンミンの顔の向きを動かすと、鏡に映り込む自分を、しっかりとソンミンは捕えた。
未だに信じられないような顔をしていて、瞬きの回数が多くなったような気がする。
さっきぶたれた左頬は、ほんの少し赤みがあった。


「…今日は、優しくできないから」


せめてもの償いのつもりで、優しく左頬を撫でてみる。
しっとりとした感触が手から全身に広がっていって、なんだかもう、頭がクラクラしてくる。


キュヒョンは何の愛撫もなしに、自分のベルトに手をかける。
小刻みに揺れる白い肩に額を当てると、ビクリとその肩が震えた。


「や、ちょ…キュヒョナ…っふあッ！？」


触れたのは、背中と肩と頬と耳。
そんな状態で、キュヒョンは自身を中に押し込んでいく。

絶対に無理だと思っていたのに、思いのほかそこは濡れていて。
少しだけ無理はあったものの、想像以上に滑らかに入り込んでいく。


「ミニ濡れてんじゃん。何？想像したわけ？」

「くはッ…ち、ちが…んッ…」

「あ、それとも何？自分の体見て？」

「ひあ…や、ぁ…んあッ…」

「はッ…やらしー…」


ゆっくりと時間をかけて入れていくと、本当にあっさり根元まで入ってしまう。
なかはいやらしく熱くて、襲ってくる締め付けに、思わず唇を噛み締める。


「動く、よ…」

「んッ…や、まっ…」


なるべく丁寧に、ゆっくりとキュヒョンは腰を動かしていく。
その瞬間、大きくソンミンの体が跳ねて、突き上げてくる快感が頭の中に響いた。
鏡を見ると、頬を赤く染めて、口を開いて、目じりを下げている色っぽい顔が目に入る。


「く…ミニ、鏡、見て…」

「あッ…やあ…んふあッ…」

「…ほ、ら、すっごいやらしー顔してる…」

「やあッ…くはッ…んあぁ…」

「ね、ほら…早く…」


耳元で小さく囁くと、催眠術にかけられたように、ソンミンは荒い息のまま鏡を見た。
涙のたまった瞳はユラユラと揺れていて、腰はいやらしく動いている。

一体どういう風に映ったのかは分からいけど、こんなの屈辱以外の何物でもないはずだ。



「んはッ…や、キュヒョナ…ひあ…」

「ミニ…腰動いてるよ」

「やッ…ちが…あッ…」

「違う？何が違うの？ちゃんと映ってるじゃん」



いつまでもふるふると首を振っている姿が癪に障る。
ちゃんと鏡を見ればすぐに分かるのに。逃げ場なんてないのに。


キュヒョンは一気にスピードを上げる。
突き上げるように腰を動かすと、ソンミンは反射的に鏡から眼を逸らした。


「くッ…ミニ、ちゃん、と、見て…」

「ふあッ…んく…ひやぁッ…」

「ね、ほら…自分だって動いてるじゃん…」

「んんッ…あッ…やあぁッ…ふッ…」

「見ないと、ダメだって…」


やわやわとソンミン自身を手で愛撫すると、赤く上気した顔が鏡の方へ向く。
鏡に映るのは、真っ赤で色っぽい表情と、くねくねといやらしく動く腰。
そして、動きながらも手で愛撫されているソンミン自身。

こんなの見たら、我慢できるわけがない。
ちょっと動くだけで喘ぎ声が漏れる薄く開いた唇とか、テラテラとした液がたらたらと伝っている
白い太ももとか。
とにかくすべてが煽っているように見える。いや、完全に煽っている。


「ミニ、太もも、垂れてる…」

「やあッ…んッ…ひぁ…」

「ちゃんと見てよ…腰動いてるし、触られてるし」

「んやあッ…あッ…ふッ…くあ…」


鏡を壊れたかのように凝視する瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。
滑らかな頬を雫が伝っていって、湿り気のある空気と交る。
その姿がすごくいやらしくて思わず動きを激しくすると、一気にぎゅうっと締め付けられる。


「くはッ…ミ、二…キツ…」

「ふあぁッ…んッ…あッ…ふあぁあッ！」



さっきから意味もなく愛撫している自身はもうイッてしまって、
力の入らないソンミンの体はずっしりと重い。
とろんとかったるそうな目をしているのに、唇からは甘い声が漏れる。
そそられる。二人の吐息が混ざり合って部屋を満たして、息が苦しくなる。


「やあッ…んやッ…あッ…ひやぁッ…」

「も、ミニ…イくッ…」

「あッ…ふあぁッ…はッ…んやあぁッ…！」



息が苦しい。
濃い空気が上手く肺に流れ込まなくて、何度も呼吸を繰り返す。



「ミニ…わか、った…？」



ずるずると崩れ落ちるように、ソンミンはキュヒョンの腕から離れて座り込んでいく。
頬に残るいくつもの涙の線は、もやもやとするこの部屋の中ではよく見えなかった。


『ごめん』も、『許して』も、きっとまだまだ言えそうにないけど。



「ミニは、俺だけのものって…ちゃんと分かった…？」






他の誰かの話なんてしなくていい。

他の誰かなんて見なくていい。

他の誰かに見られなくていい。

他の誰かに触れなくていい。触れられなくていい。





愛してるから、それだけ。それだけ、なんだ。


ごめん、許して。










</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:13:47+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://sj15sm.novel.wox.cc/entry1.html">
		<link>https://sj15sm.novel.wox.cc/entry1.html</link>
		
				
		<title>OSHIOKI　＊</title>

		<description>―ねえ、お仕置き、してほしいんでしょ？
…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">―ねえ、お仕置き、してほしいんでしょ？


―…そんなわけ、ないから




素直になれない恋人は、結構嘘つきだったりする。





<font size="7">―OSHIOKI―</font>








「これ、どういうこと…？」


ソンミンはキュヒョンに差し出された服を見て、怖気づいたように後ずさる。
キュヒョンはニヤリと笑って、楽しそうにソンミンを追い詰めた。


「なにって、メイド服。着てくれるよね？」

「なっ…そんなの、誰が着るもんか！！」

「…あっそ。」


ソンミンの反応がつまらなかったキュヒョンは、ごそごそと傍に置いてあったバックを覗き込む。
安っぽい紙袋。その中で、キュヒョンはお目当てのものを見つける。

ジャラリと取り出されたものを見て、ソンミンは絶句してしまった。


「これ、首輪と手錠。メイド服とこっち、どっちがいい？」

「な、なに言って…」

「あ、それとも、どっちもつけちゃおうか。」


キュヒョンは楽しそうにソンミンに近づく。
ゴツンと額同士がくっつくと、キュヒョンは追い詰めるように言った。


「嘘ついた、お仕置き、だから。」

「…っ！！」


キュヒョンがソンミンの腕を持ち上げてベットに押し倒す。
持ち上げた手に慣れた手つきで手錠をはめて、乱暴に投げ捨てた。


「やっ！キュヒョナ、やだッ…」

「黙って。メイド服着せられないじゃん」


ソンミンは焦って身を捩らせるが、手錠で自由の利かない両手が上手く使えない。
するすると服を脱がされて、あっという間に、生まれたての姿になってしまう。

キュヒョンはメイド服を取り出すと、ソンミンの頭にガバリと被せた。
力強く服を下ろすと、あっという間に、ソンミンはメイド服で身を包んだ姿になる。


「さてと…次は首輪ね」

「や…キュヒョナ…」


ソンミンはふるふると首を振って抵抗するが、キュヒョンは構わず首筋に手を伸ばす。
キュヒョンがソンミンの首筋に首輪を当てると、白い体がビクンと跳ねた。

カチャリ、と、金属の擦れ合う音が部屋の中に響く。


「よし、完成」

「や、やだキュヒョナ…これとって…」

「なんで？やだよ。これからいいとこなのに。」


キュヒョンはソンミンの首輪から伸びる鎖をグイッと引っ張った。


「いっ！きゅ、きゅひょな痛いって…」

「キュヒョン様、でしょ？」

「え…」

「メイド服に手錠に首輪。まさにそういう関係じゃない？」


キュヒョンはちゅっと軽くソンミンの唇にキスを落とす。
唖然と目を見開いているソンミンに、とどめを刺すように言った。


「キュヒョン様って言わなかったら、またお仕置きだから。」

「な…や！キュヒョナまっ…」


キュヒョンの動きがピタリと止まる。
ソンミンが慌てて口を塞いだ時には、既に遅かった。
口角を上げて、キュヒョンは笑っていた。


「『キュヒョナ』だーって…あーあ、お仕置きだね」

「ご、ごめん…その、もう、言わないから…」

「だーめ。お仕置きはお仕置き。」

「ま、待ってってば…んん！！」


キュヒョンは、紙袋から小型な機械を取り出した。
そして、それを徐に、濡れてもいないソンミンの中に差込んだ。


「やあ！い、いたぁ…んはッ…苦し…」

「スイッチ、押すよ？」

「ま、待って！無理だから…ひゃぁあ！！！」


突然、違和感極まりない振動と痛みが襲って、ソンミンは悲鳴に似た声を上げた。
そんなソンミンを気に留める様子もなく、キュヒョンは振動の大きさを上げていく。


「ふあッ…やだきゅひょなあ…ッ！！い、いた…んあ！！！」

「あーあ、すっごい痛いだろうね、ミニ。ローションだってつけてないもん。」

「いやぁ！！も、むり…んはッ…あッ…たすけ…」

「うーん…そうだね、キュヒョン様って言ったらやめてあげる。」


キュヒョンはメイド服で痛みに体を仰け反らせるソンミンを見ながら、強度を上げた。


「ひあぁ！！や、めてっ…きゅひょん、さまぁ…」

「え？何？全然聞こえなかったんだけど。」

「きゅ、ひょん、さまあ…もうやめ…ふあぁ…」

「えー、どうしよっかなー。」

「んなっ…なん、で…」

「だって、乱れてるミニ可愛いし。」



キュヒョンは首輪の鎖を引っ張って、ソンミンに顔を近づける。
痛そうに顔を歪めたソンミンに我慢できなくて、さっきとは違う、深い口づけをする。


「んっ…ふあ…きゅ、ひょ…あッ…」

「ん…やば…ミニ。ちょっとエロすぎ」

「やあ…ん！！ふっ…」

「もうちょっと、我慢しててね？」


キュヒョンはソンミンの頬を優しく撫でる。
必死に抵抗したのか、手錠の下の手首には、うっすらと赤い跡が残っている。
メイド服は汗でソンミンの体にぴったり張り付いていて、体のしなやかなラインがはっきりと分かる。

これで理性を保てなんて、無理に決まってる話だ。


「きゅひょんさまあ…んあッ…も、むりぃ…」


キュヒョンはがっしりとソンミンの膝を掴んで広げると、
まだソンミンの中で動いている機械を取り出した。

べっとりとヌルヌルとした液がへばりついてるそれには、ほんの少し、赤い血がついていた。


「ごめんね、ミニ。すっごい痛かったでしょ？」

「はあッ…もう…すっごく…」

「でも、やめてあげないから。」

「！？あッ！ッ…」


キュヒョンはまたもや機械を中に押し込んだ。
さっきよりはすんなりと入ったが、やはり痛みは変わらない。

ソンミンが何とかそれを取り出そうと動いていると、それを押し込むような形で、
いつの間にか脱いでいたキュヒョンのものが入ってくる。


「やあッ！！いった…んん！や…はッ…んやッ」

「うっわ…これ結構奥に入っちゃうかも…」

「いやあ！！きゅひょんさまッ…やめ…」


キュヒョンは自分のものを根元まで入れてしまう。
当然、あの機械は、もっと奥へ入り込んでしまった。
…しかも、動いたまま。


「ふあ…んッ…はあッ…や、んん…」

「ミニ、大丈夫？きつくない？」

「ひあ…も、やだ…イく…んはッ！！」

「まだ我慢して。一緒にイこうよ」

「んやッ！む、むり…あッ！！我慢できな…んはあぁッ！！！！」


ソンミンはひくひくと体を痙攣させたまま、ぐったりと崩れ落ちてしまう。
入れてすぐにイかれてしまったキュヒョンは、ため息と一緒にものを抜いた。


「結局最後までいかなかったじゃん、ミニ」


キュヒョンは軽くソンミンの頬をつねる。
予想通り、手首だけでなく、首筋まで赤い線のような跡が残っていた。

まあ、後悔なんてしてないけど。


「ねえ、ミニ。」


キュヒョンはソンミンの耳元で、囁くように言った。


「お仕置き、好きなんでしょ？」



もうずっと前から知っている。
ミニがこういうお仕置きが好きで、わざと俺を怒らせるようなことをしているということ。


キュヒョンはそっと、手錠を外して、跡のついた手首を擦った。

手錠みたいに、ミニを繋ぎとめておけるのは、お仕置きぐらいだったりする。










―ねえ、お仕置き、してほしいんでしょ？





ねえ、今度素直にならなかったら、お仕置きだから。











</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T08:11:15+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>

</rdf:RDF>